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ガンダムアストレイ(GUNDAM ASTRAY)は『機動戦士ガンダムSEED ASTRAYシリーズ』に登場する、モビルスーツ(MS)に分類される架空の有人式人型ロボット兵器の一つ。「アストレイ」は英語で「王道ではない」などを意味する。 メカニックデザインは阿久津潤一(ビークラフト)が担当し、いくつかの派生機や装備はその他の多人数が分業でデザインしている。 == 機体解説 == オーブ連合首長国の国営企業であるモルゲンレーテ社が、大西洋連邦とのG兵器の共同開発の際用いられた大西洋連邦のMS開発技術を無断使用して完成させた機体。型式番号は ''Main Battle Figure'' を略したもので「主力戦闘人型機器」を意味する〔実在の用語「MBT:Main Battle Tank」(主力戦闘戦車)に倣った略語である。アニメーション作品では他に『超時空要塞マクロス』の「MBR:Main Battle Robot」(主力戦闘ロボット)等の例がある。〕。また、後に開発される制式量産機「M1アストレイ」の原型機という意味から「プロトアストレイ」ないし「P0(ピーゼロ)シリーズ」などとも通称されている。 C.E.70年当時、戦争が激化する中で自国防衛戦力の強化の必要性を感じたオーブはMSの開発に着手したが、自国のみでのMS開発は難航を極めていた。一方、大西洋連邦はナチュラル用OSの実用化に苦戦していたため〔プラモデル 『PG 1/60 ストライクガンダム』 組立説明書。〕、その打開策として共同開発のオファーをオーブのモルゲンレーテ社に持ちかけた。この際、本事業を請け負っていたオーブ五大氏族の一つサハク家は、さらにその開発製造過程の技術を盗用することを独断で決定した〔『電撃データコレクション19 機動戦士ガンダムSEED外伝』2頁。〕。 これは明らかに大西洋連邦との契約に違反したものだが、結果的にモルゲンレーテ社はG兵器からMS本体の開発データを取り込むことに成功した。そのため、基本性能と装備品などはG兵器との類似点が多い。特に開発当時のオーブのビーム兵器の小型化技術は程度の知れたものであり、ビームライフルやビームサーベルなどの開発に関しては大西洋連邦の技術に大きく依存している。なお、両陣営ともこれらの強力な携行兵器を敵MSに使用させない対策として、両掌のエネルギー供給用プラグに接続した時点で機種照合が行われるため、アストレイ(G兵器)以外には扱わせまいとするプロテクト面の強化も新しい概念だったが、アストレイでは更なる工夫を凝らし、このエネルギーをあえて外部に放電させてソフトキル目的に使うという応用法〔『電撃ホビーマガジン』 2003年2月号、94-95頁や、『GUNDAM SEED & ASTRAY MODELING MANUAL Vol.1』 メディアワークスにおける設定集など。/放電:八極拳でいう「双掌」や、球形にしたものを飛び蹴りする姿なども描かれ、戸田泰成 『ASTRAY R』 第2巻では、お手玉のようにして試していた。/武術:架空のゲーム 『バーチャファイター』 の結城晶などで知られる「外門頂肘」「連環腿」「鉄山靠」といった技で描かれている。剣術についてはレッドフレーム項にて詳述。/ゴム:「つま先など」とも書かれている。/頭部:丸ごと以外に、両側面(イーゲルシュテルン基部)を残した「中心のみ=センサーやマスク類の部位」を取り外せる構造としても描かれている。/グレネード:ただし「?」が付く疑問形。〕も取り入れられた。 ほかにもアストレイ独自の点は多数存在する。ブラックボックスであった〔プラモデル 『HG 1/144 ガンダムアストレイ レッドフレーム』 組立説明書。〕 フェイズシフト装甲の解析に失敗したため、装甲材及び構造材にはオーブ独自のマテリアルである発泡金属が採用され、かつバイタルエリア以外は被装甲箇所を大幅に減らすことで機体を軽量化。ゆえに胴部背面、肩部後面、前腕部腹面、大腿部側面後面、脛部全周が無装甲となりフレームが剥き出し(正確には爆発物の破片などの飛散物の混入防止や防塵、空力特性改善などのためにフレームに合わせて整形された軽素材による極薄のカウルがかぶせてあるが当然、耐弾性などの装甲としての効果はない)になっている。当然ながら耐弾性能は低いが、重量はG兵器の中で最も軽いデュエルと比較して10トン以上の差を生み、運動性能向上に大きく貢献する要素となった。軽量軽装甲、耐弾性能の劣勢は運動性能の優勢を以て之を補う、というこの基本設計思想は、以後オーブ軍主力MSに受け継がれていく。 ボディの基本フレームもG兵器とは異なるもので、限りなく人間に近い動きが可能な柔軟性を持っており、八極拳や剣術など、広い意味での「武術〔」を動作として再現できるほどであった。このフレームは本体の軽量さとあいまって、極めて高い運動性能を発揮する。加えて、足の底面一帯(黒色部)はゴム(ラバー)素材〔で出来ているとされ、人間が運動靴に求めてきた機能を巨大ロボットに取り入れたかのような意匠も見られる。 また、背中には多関節アームによって必要に応じて腰部背面の尻尾状(テール)パーツまでスライドする可動式バックパックや、交換可能な頭部ユニット〔など、機体の各所にはオプション装備のためのハードポイントやギミックが多数備えられており、その点はG兵器の1機であるストライクの開発コンセプトに近いものがある。オプションパーツも多数設計されていたが実際に製作されることはなく、最終的には1機のコンピュータ内にデータとして限定的で残されることとなった。 テールパーツはバックパック及びライフルのマウントスペース兼電力ケーブル結合部であり、備えられたプラグを介してバッテリーを充電する〔戸田泰成 『ASTRAY R』 第1巻では、手の平サイズの予備電源パックを常用している姿も見られた。〕。 アストレイの開発はヘリオポリス内の秘密工場で極秘裏に進められ、最終的に基本フレームの色が異なる「ゴールドフレーム」「レッドフレーム」「ブルーフレーム」の3機がロールアウトされ、それぞれ別々の道を辿ることになる。 また予備パーツ状態でさらに2機のアストレイが存在しており、1機はその後ほぼそのまま(AIとセンサーを改修)組み上げられて「グリーンフレーム」に、もう1機はライブラリアンによる大幅な改修を経て「ミラージュフレーム」として完成している。 その後、プロトアストレイの開発データは望むと望まないとに係らずオーブ国外に流出し、「レイスタ」、「シビリアンアストレイ」などの民生用MS開発へと繋がっていった。また、マーシャン製のMSにも部分的に技術が利用された。また流出したデータにより、ライブラリアンはレッドフレームを再建造(「レプリカ」)、アクタイオン社は独自改修した「ノワール」と「ターンレッド」を建造している。 目次へ移動'Main Battle Figure'' を略したもので「主力戦闘人型機器」を意味する〔実在の用語「MBT:Main Battle Tank」(主力戦闘戦車)に倣った略語である。アニメーション作品では他に『超時空要塞マクロス』の「MBR:Main Battle Robot」(主力戦闘ロボット)等の例がある。〕。また、後に開発される制式量産機「M1アストレイ」の原型機という意味から「プロトアストレイ」ないし「P0(ピーゼロ)シリーズ」などとも通称されている。 C.E.70年当時、戦争が激化する中で自国防衛戦力の強化の必要性を感じたオーブはMSの開発に着手したが、自国のみでのMS開発は難航を極めていた。一方、大西洋連邦はナチュラル用OSの実用化に苦戦していたため〔プラモデル 『PG 1/60 ストライクガンダム』 組立説明書。〕、その打開策として共同開発のオファーをオーブのモルゲンレーテ社に持ちかけた。この際、本事業を請け負っていたオーブ五大氏族の一つサハク家は、さらにその開発製造過程の技術を盗用することを独断で決定した〔『電撃データコレクション19 機動戦士ガンダムSEED外伝』2頁。〕。 これは明らかに大西洋連邦との契約に違反したものだが、結果的にモルゲンレーテ社はG兵器からMS本体の開発データを取り込むことに成功した。そのため、基本性能と装備品などはG兵器との類似点が多い。特に開発当時のオーブのビーム兵器の小型化技術は程度の知れたものであり、ビームライフルやビームサーベルなどの開発に関しては大西洋連邦の技術に大きく依存している。なお、両陣営ともこれらの強力な携行兵器を敵MSに使用させない対策として、両掌のエネルギー供給用プラグに接続した時点で機種照合が行われるため、アストレイ(G兵器)以外には扱わせまいとするプロテクト面の強化も新しい概念だったが、アストレイでは更なる工夫を凝らし、このエネルギーをあえて外部に放電させてソフトキル目的に使うという応用法〔『電撃ホビーマガジン』 2003年2月号、94-95頁や、『GUNDAM SEED & ASTRAY MODELING MANUAL Vol.1』 メディアワークスにおける設定集など。/放電:八極拳でいう「双掌」や、球形にしたものを飛び蹴りする姿なども描かれ、戸田泰成 『ASTRAY R』 第2巻では、お手玉のようにして試していた。/武術:架空のゲーム 『バーチャファイター』 の結城晶などで知られる「外門頂肘」「連環腿」「鉄山靠」といった技で描かれている。剣術についてはレッドフレーム項にて詳述。/ゴム:「つま先など」とも書かれている。/頭部:丸ごと以外に、両側面(イーゲルシュテルン基部)を残した「中心のみ=センサーやマスク類の部位」を取り外せる構造としても描かれている。/グレネード:ただし「?」が付く疑問形。〕も取り入れられた。 ほかにもアストレイ独自の点は多数存在する。ブラックボックスであった〔プラモデル 『HG 1/144 ガンダムアストレイ レッドフレーム』 組立説明書。〕 フェイズシフト装甲の解析に失敗したため、装甲材及び構造材にはオーブ独自のマテリアルである発泡金属が採用され、かつバイタルエリア以外は被装甲箇所を大幅に減らすことで機体を軽量化。ゆえに胴部背面、肩部後面、前腕部腹面、大腿部側面後面、脛部全周が無装甲となりフレームが剥き出し(正確には爆発物の破片などの飛散物の混入防止や防塵、空力特性改善などのためにフレームに合わせて整形された軽素材による極薄のカウルがかぶせてあるが当然、耐弾性などの装甲としての効果はない)になっている。当然ながら耐弾性能は低いが、重量はG兵器の中で最も軽いデュエルと比較して10トン以上の差を生み、運動性能向上に大きく貢献する要素となった。軽量軽装甲、耐弾性能の劣勢は運動性能の優勢を以て之を補う、というこの基本設計思想は、以後オーブ軍主力MSに受け継がれていく。 ボディの基本フレームもG兵器とは異なるもので、限りなく人間に近い動きが可能な柔軟性を持っており、八極拳や剣術など、広い意味での「武術〔」を動作として再現できるほどであった。このフレームは本体の軽量さとあいまって、極めて高い運動性能を発揮する。加えて、足の底面一帯(黒色部)はゴム(ラバー)素材〔で出来ているとされ、人間が運動靴に求めてきた機能を巨大ロボットに取り入れたかのような意匠も見られる。 また、背中には多関節アームによって必要に応じて腰部背面の尻尾状(テール)パーツまでスライドする可動式バックパックや、交換可能な頭部ユニット〔など、機体の各所にはオプション装備のためのハードポイントやギミックが多数備えられており、その点はG兵器の1機であるストライクの開発コンセプトに近いものがある。オプションパーツも多数設計されていたが実際に製作されることはなく、最終的には1機のコンピュータ内にデータとして限定的で残されることとなった。 テールパーツはバックパック及びライフルのマウントスペース兼電力ケーブル結合部であり、備えられたプラグを介してバッテリーを充電する〔戸田泰成 『ASTRAY R』 第1巻では、手の平サイズの予備電源パックを常用している姿も見られた。〕。 アストレイの開発はヘリオポリス内の秘密工場で極秘裏に進められ、最終的に基本フレームの色が異なる「ゴールドフレーム」「レッドフレーム」「ブルーフレーム」の3機がロールアウトされ、それぞれ別々の道を辿ることになる。 また予備パーツ状態でさらに2機のアストレイが存在しており、1機はその後ほぼそのまま(AIとセンサーを改修)組み上げられて「グリーンフレーム」に、もう1機はライブラリアンによる大幅な改修を経て「ミラージュフレーム」として完成している。 その後、プロトアストレイの開発データは望むと望まないとに係らずオーブ国外に流出し、「レイスタ」、「シビリアンアストレイ」などの民生用MS開発へと繋がっていった。また、マーシャン製のMSにも部分的に技術が利用された。また流出したデータにより、ライブラリアンはレッドフレームを再建造(「レプリカ」)、アクタイオン社は独自改修した「ノワール」と「ターンレッド」を建造している。 目次へ移動 グレネード:ただし「?」が付く疑問形。〕も取り入れられた。 ほかにもアストレイ独自の点は多数存在する。ブラックボックスであった〔プラモデル 『HG 1/144 ガンダムアストレイ レッドフレーム』 組立説明書。〕 フェイズシフト装甲の解析に失敗したため、装甲材及び構造材にはオーブ独自のマテリアルである発泡金属が採用され、かつバイタルエリア以外は被装甲箇所を大幅に減らすことで機体を軽量化。ゆえに胴部背面、肩部後面、前腕部腹面、大腿部側面後面、脛部全周が無装甲となりフレームが剥き出し(正確には爆発物の破片などの飛散物の混入防止や防塵、空力特性改善などのためにフレームに合わせて整形された軽素材による極薄のカウルがかぶせてあるが当然、耐弾性などの装甲としての効果はない)になっている。当然ながら耐弾性能は低いが、重量はG兵器の中で最も軽いデュエルと比較して10トン以上の差を生み、運動性能向上に大きく貢献する要素となった。軽量軽装甲、耐弾性能の劣勢は運動性能の優勢を以て之を補う、というこの基本設計思想は、以後オーブ軍主力MSに受け継がれていく。 ボディの基本フレームもG兵器とは異なるもので、限りなく人間に近い動きが可能な柔軟性を持っており、八極拳や剣術など、広い意味での「武術〔」を動作として再現できるほどであった。このフレームは本体の軽量さとあいまって、極めて高い運動性能を発揮する。加えて、足の底面一帯(黒色部)はゴム(ラバー)素材〔で出来ているとされ、人間が運動靴に求めてきた機能を巨大ロボットに取り入れたかのような意匠も見られる。 また、背中には多関節アームによって必要に応じて腰部背面の尻尾状(テール)パーツまでスライドする可動式バックパックや、交換可能な頭部ユニット〔など、機体の各所にはオプション装備のためのハードポイントやギミックが多数備えられており、その点はG兵器の1機であるストライクの開発コンセプトに近いものがある。オプションパーツも多数設計されていたが実際に製作されることはなく、最終的には1機のコンピュータ内にデータとして限定的で残されることとなった。 テールパーツはバックパック及びライフルのマウントスペース兼電力ケーブル結合部であり、備えられたプラグを介してバッテリーを充電する〔戸田泰成 『ASTRAY R』 第1巻では、手の平サイズの予備電源パックを常用している姿も見られた。〕。 アストレイの開発はヘリオポリス内の秘密工場で極秘裏に進められ、最終的に基本フレームの色が異なる「ゴールドフレーム」「レッドフレーム」「ブルーフレーム」の3機がロールアウトされ、それぞれ別々の道を辿ることになる。 また予備パーツ状態でさらに2機のアストレイが存在しており、1機はその後ほぼそのまま(AIとセンサーを改修)組み上げられて「グリーンフレーム」に、もう1機はライブラリアンによる大幅な改修を経て「ミラージュフレーム」として完成している。 その後、プロトアストレイの開発データは望むと望まないとに係らずオーブ国外に流出し、「レイスタ」、「シビリアンアストレイ」などの民生用MS開発へと繋がっていった。また、マーシャン製のMSにも部分的に技術が利用された。また流出したデータにより、ライブラリアンはレッドフレームを再建造(「レプリカ」)、アクタイオン社は独自改修した「ノワール」と「ターンレッド」を建造している。 目次へ移動 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ガンダムアストレイ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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